私たち夫婦は、清掃業をしています。
特に賃貸の部屋が退去した後の空室清掃が専門です。
掃除をしていると時々、
「もう少し安くして」
「値段内で、これとこれもやって」
と言われます。
しかし、結論から言うと、
価格調整は現場業の役割ではありません。
それは投資家の任務です。
この記事では、そこら辺について詳しく書くので、ぜひ不動産に関わる現場業の人に気が付いてもらいたいと思っています。
現場業の人に伝えたいメッセージ
不動産投資家は、なぜか知らないけど現場業の人たちに「値切り」をしてきます。
でも、現場の皆さんは勉強しないといけません。
気がついて欲しい真実。
よく考えてみて。
価格調整をするのは、投資家の仕事ですよ。
現場の仕事ではありません。
人の仕事は奪っちゃいけません。
価格を値切らなければその投資が回らないのなら、それは現場作業代が高いことが原因なのではなく、
投資家が、その投資をスタートする前に価格調整をできなかったことが原因です。
なんなら、投資家の仕事なんて価格調整しかないでしょ 笑
それがメインでしょ!
銀行への金利相談。
自分の資金。
自分はどれくらいのレバレッジが許されるのか?
自分の現在の金利はいくらなのか?
維持費はいくらなのか?
いろんな計算は、投資スタートの前に終わらせろ!
なんです。
金利を下げられなかったのは、銀行からお金を借りる際の金利を下げるスキルや、人格、業績が無かったから。
だからって、値下げ交渉をしたら簡単に値切れそうな現場経費の方を抑えて調整しようなんて
言語道断です。
金利を下げるスキルを身につけるのが投資家の仕事ですから。
金利が下がるように自分を磨くのが投資家の仕事ですから。
投資家の怠惰のために、現場側が自分の収入を下げてまでキャッシュフローに協力する必要は、ありません。
彼らの仕事を奪ってはいけないんです。
私たちが奪うから、私たちが苦しくなる。
私たちが奪うから、投資家も努力しなくていいとサボる。
人格形成や金利を下げるスキルを磨くチャンスを奪ってはいけません!
「自分磨き」や「人格形成」を怠り、金利削減の努力もせず、一番簡単そうな「現場値切り」の方法に流れようとした投資家のツケを、
命を削って、時間を削って現場で働く人間が被る必要は1mmもありませーーーん。
まずはこの事実に現場仕事の人たちが気がつき、絶対に忘れてはいけないんです。
今後、現場仕事を始める全ての後輩たちの人生のためにも。
大きな現場に行くと、大事故が実際にあります。
どれだけ気をつけて、どれだけ注意してやっても事故は起きる。
そんな時、犠牲になるのは作業をする私たちです。
でも、今の技術ではどんなに大きな建物でも絶対に人間のチカラが必要です。
ところが
現場を見たことの無い投資家さんは、まるで機械を使ってスルスルと自分の建物が建っていくとでも思っているかのよう。
「あなたたちの仕事は現場仕事なんだから、ちゃんとやるのは当たり前でしょ」
なーんて、自分は金利調整をミスっていたとしても
危険と隣り合せで作業をしてるリスクを何とも思わず、働いてもらうことだけはしっかりと要求してくる。
そう。
「こっちはお金を払うんだから、しっかり現場仕事してよね」
とか言ってくる。
その割に、価格調整という己の仕事はしっかりできていない。
命がかかって自分の物件が出来上がる事実を忘れ、自分が価格調整という精進を忘れ。
だけど、
自分の投資のキャッシュフローや、自分の家族の幸せだけは忘れない。
でも、現場の人の人生まで考える心と頭の余裕はない。
現場仕事の値段を値切るとは、そういう行為です。
投資家は感情的にならないとか聞くけど、めっちゃ人間臭いのですよ。
肩書きを「投資家」と名乗ってても、結局投資家さんも私たちと同じ人間で、ぜんぜん完璧じゃないのです。
ぶっちゃけ
「現場のやつらの人生なんて知らねー」が
値切る人の心の奥底にある本心なんですよ。
投資家も生きるだけで必死だということです。
一方で、ちゃんと現場の人たちの人生を尊重する心の余裕を持ち合わせた正真正銘の投資家さんという方もたまーにいらっしゃいます。
そんな投資家さんは必ず自分の仕事(金利管理)を全うしてくれます。
キャッシュフローの責任は自分で持つ。
私たち現場の人間は、そういう人にだけ付いていく。
そう心に決めなきゃいけません。
「あー、何となく欲しかったし、買えそうだったし。なんか買えちゃった!」
「やべ、どこかで帳尻を合わせないと、目標のキャッシュフローに届かないな。」
「よし、リフォームを値切ってみよう!」
「ん〜〜。リフォームは高いから、掃除の人に何とかしてもらおう」
って、
「おーーーい!」
「自分の不注意を、他人の時間と寿命と労力で ごまかすなんて〜のは原則違反だぜ!社長!」
私たちは堂々とこう思って、いいんです。
まぁでも、そういう投資家さんも結局、最終的に必ず苦しみます。
それが世の中の法則なので…
例えば、
「お金は稼げるようになったけど、自分の人生って何?」
と、そもそもの人生の本質にやっと気がついて悩んだり。
例えば、
値切るからリフォームの質が悪くなる。
↓
掃除だけにすがってみるんだけど、掃除だけでは限界があるから「陰の気」が部屋から消えない。
↓
結局次の入居者さんも部屋を丁寧に扱ってくれない。
↓
そうして、どんどん物件がすさんでいく。
とか。
例えば
「値切ったり、値段内で何でもやってもらおうとして、最終的に良い業者さんが自分からどんどん離れていく」
とか。
良い思いをできたと思っても、誰かをおざなりにして得た良い思いは、必ず後で「苦しみ・痛み」で帰ってくる。
因果応報は必ず存在しています。
因果応報という点では、現場も投資家も平等です。
だがしかし!!
私は現場で帳尻を合わせようとする投資家や業者さんとは縁を切るタイプです!
すっぱりあっさり躊躇なく。
だって、
他人の価格調整のミスを、こっちが被らされるなんて、絶対に嫌ですもん。
え?
いや冷静に状況を見ようよ。
頭を使って価格調整するだけで、あとは自由に時間を使える立場なのに、価格調整すらやらないって何?
むしろ投資家の任務って、それなのに?
一番大事な仕事をしなかった後始末なんて、そっちで何とかしてください!以上。
と思っています。
それに、
今、現役の現場業の人間たちが「ツケを払わされない環境」を作らない限り、将来、現場業をやりたい人はどんどん減りますよ。
嫌でしょ?そんな割に合わない仕事(笑)
PC片手に肉体労働をしない人たちの怠惰を、必要不可欠な現場作業員が被るなんて理不尽以外の何物でもないんだから。
そんな理不尽な仕事、誰もやりたがらないでしょ。
だから「清掃業はやめとけ」
とか世の中に言われるんです。
すでに言われちゃってるじゃん。
言われてるのは、今までずっと現場業の人たちが自分たちの価値を自分たちで下げてきたせいです!
実際に多くの現場業の方は、なぜか自分たちが投資家さんたちの下だと思ってるように見えます。
そんなペコペコする必要ないのに。
対等でしょ。
投資家さんも、自分と家族の幸せ以上は考える余裕のない私たちと同じ人間なんだから。
お偉い様でも目上の人でもございません。
仕方なく値段を下げてあげたり、交渉に乗ってあげたり、そんなことしなくても大丈夫。
ちゃんと責任が取れる投資家さんも居ますから。
ちゃんと考えてくれる投資家さんは現場の必要性を正しく理解しているリフォーム屋さんと関係を持っています。
だから、正しい理解のある投資家さんやリフォーム屋さんだけと、私たち現場も関係を続ければ良いんです。
令和の時代は、Win-Winを価値観に持っている人とだけ付き合う時代。
支配とか我慢とか、もうおしまい。
お互いがお互いの仕事を全うすれば良いだけの話です。
「今付き合っている投資家さんが全て」
「投資家さんは偉い目上の人」
なんて絶対に思わないこと!!!
今付き合っている工務店、リフォーム屋さんがあなたのすべてと思わないこと!
良い環境で働くことを、私たちが1番「諦めちゃダメ」です。
私たち現場が1番、清掃業は底辺だと「勝手に決めつけちゃダメ」です。
特に「不動産投資」では今のところ、人間の手を借りずに物件を完成させるのは不可能だし、維持管理もできません。
だから、現場の仕事は間違いなく余るほどあるのです。
嫌な人からは離れる。
そして、
現場仕事の将来を守る。
堂々と誇りをもって現場仕事をする人が減らなければ、結局、投資家さんたちも助かるんですから。
値切り交渉を断ったら態度を変えるような投資家は即切り!
値段内で値段以上の作業を要求をしてくる投資家は即切り!
必ず他に仕事はあるから、強い気持ちで断ること!
これが、私たち現場業の人間が、嫌な思いをせず、自分たちを下げることもせず、現場業と投資家さんの未来を守りながら、自信を持って生きていく方法です!
忘れないでくださいね。
価格調整は、現場業の仕事ではなく投資家の仕事。
不動産投資家と現場業の後輩たちの将来のために、私たちができることは、価格調整という仕事を奪わないことです。
ハルカより